製作工程

オリジナルのオーダー額や、立体作品の取り付けなど、様々な製作工程を紹介します。


アンティーク缶の額装

ミュシャの図柄がプリントされた「アンティーク缶」の額装作業工程のご紹介です。

 立体作品の額装方法は他にも色々とあります。額装する作品に応じてそれに合った方法を提案していきますので是非ご相談ください。


1. アンティーク缶

このアンティーク缶の額装をします。

額は別に同時進行で製作しています。

 

2. 材料の準備

布や内枠の木材などを、だいたいの大きさに各パーツをカットして揃えておきます。


3 内枠の布貼り

内枠の部材にボンドで布を貼っていきます。

貼り終えたら余分な布は切り落として枠組みしておきます。

 

4. 缶の型取り

アンティーク缶は、形がまっすぐとは限りません。

現物でペーパーマットに輪郭の形をとります。

 


5. マットの加工

先ほど弾いた線の上をカッターで穴をあけていきます。

 

 

6. マットを接着

穴を開けたマットの下にもう1枚マットを用意して2枚を貼りあわせます。

 

 


7. マットの布貼り

貼りあわせたマットに内枠と同じ布を貼ります。

この凹み部分に缶の底が収まり缶がずれるのを防ぎます。

 

8. 缶の取り付け

缶を透明なテグス糸(釣り糸)でマットに固定します。

 

 


9. 糸を止める

裏面に糸を通して結び、結び目が解けないようにテープで止めます。

これで缶がマットに取り付けられました。

 

10. 固定部分

缶の固定には透明な糸が使われているため目立ちませんが、このようにしっかりと固定されています。

 


11. 内枠の取り付け

缶を取り付けたマットに、組み上がった内枠を取り付けて余分なマットは切り落とします。

 

 

12. アクリルケースの

    取り付け

内枠とマットの合体が済んだらホコリやゴミなどを綺麗に取り除き、アクリルのケースを取り付けます。


13. 額に入れる

缶の額装用に特別に作られた額に先ほど合体した物をはめ込み裏板をかぶせて止めます

 

14.  裏仕上げ

裏に化粧用のテープを貼り、つり金具を付けてヒモを結びます。


15. 完成

これでアンティーク缶の額装の完成です。


磁器人形ケース

額縁だけでなく、人形ケースなどの受注製作も承っております。

作業風景・工程もあわせてご紹介させていただきます。


1. 手順の確認

お客様のご注文から寸法・仕様を確認し、

入念に準備します。

2. 台枠の製作

枠と角は基本ですが、額・ケースの見せ所です。

しっかりと加工します。

 


3. 台枠の下塗り

仕上がりに影響しますから入念に下塗りします。

 

4. 上板の切り出し

機械を使ってていねいに切り出します。

 


5. 上板の下塗り

こちらも入念に下塗りを。

手を抜くと塗料ののりが悪くなり、艶も出ません。

 

6. 上板の仕上げ

仕上げ塗りして磨き、充分艶を出します。

布を張って組み立てます。

 


7. 完 成

これにガラス蓋が入ります。

やや艶を抑えた金塗りと深い藍色の舞台にカラフルな人形が一層映えます。

 

逢美創【あみそう】ではこのように作品に合わせて額縁・ケースを制作いたします。ご注文時に店頭でご納得いただけるまで相談していただき、技術スタッフが一点一点ていねいに製作いたします。

 

愛着ある作品がひときわ輝きを増すインテリアになる過程を味わっていただければと思います。

 


アーチ額の製作

オリジナルのアーチ型の額の作業工程です。

逢美創(あみそう)では四角の額以外にも、さまざまな形の額を手作りで作成しています。

作品に合った変形額をご希望の際には、是非当社へご連絡ください。

1.下地づくり

アーチ型の額を作成した後、下塗りを何度も塗かさねて、さらに額表面の凹凸模様を作っていきます。

 

2.漆塗り

下地の上に金箔を押すための漆を刷毛目の出ないように丁寧に塗っていきます。


3.金箔押し

漆塗りが終わったら、その上に金箔を押していきます。

 

4.箔押しの完成

金箔を押したばかりの状態です。

写真のようにとても金ピカですから、アンティークな雰囲気になるように着色をします。


5.マットの面先加工

マットの面先も額と同じように、下塗りした後に箔張り用の漆を塗ります。

6.面先の金箔押し

面先も同様に金箔を押して、着色をします。


7.マットの布張り

ペーパーマットをアーチの形に加工して布を貼り、別に作っておいた金の面先と貼り合わせます。

8.額の完成

着色し終えた額にマットと作品を入れて完成です。

 



ロココ額の製作

お客様の自宅にあるロココの家具に合わせて、同じような雰囲気のロココ額を作ってほしいとの依頼でした。

ベースになる枠を組み、その上に型取りした装飾の部材を取り付けて作成しました。

とても大変な額作りでしたがそれなりに雰囲気のある額に仕上がり、お客様に満足してもらうことができました。

1.パーツの取り付け

ベースになるフレームに、飾りのパーツを取り付けして、下塗りをします。

2.下地塗り

白色の下地はベースになるフレームの色が透けるので、何度も丁寧に塗り重ねます。


3.ベースの色を着色

下地塗を完了したらフレームのベースになる色を着色します。

4.額の完成

とても大きくてゴージャスなロココ額の完成です。



オリジナル額の製作

1.コーナー装飾の削り出し

額を作成し大まかに掘り出した後、コーナーの装飾を下絵に沿って削り出していきます。

2.

大まかに削った部分を丁寧に削っていきます。


3.面先の加工

面先を盛り上げ、装飾を削り出していきます。

4.クシ目をつける

額表面にクシ目の装飾を施します。


5.下地の仕上げ

細かいペーパーで全体を磨き、下地をならしていきます。

6.下地の完成

出来上がった下地は水に弱いので、防水処理を施しておきます。


7.額の着色

額全体に着色をしていきます。

8.漆塗り

金箔加工する部分に漆を塗っておきます。


9.箔押し

漆が乾いたら、その上に金箔を押していきます。

10.最後の色仕上げ

金箔部分を光過ぎないように燻し加工を施した後、額全体の色の調子を整えて仕上げていきます。

 


11.完成

新品なのですが何年も前に作られた様なアンティークな風合いの額に仕上がりました。



オリジナル額の製作・その2

1.下地作り

四角に組み上げた額の上に下地を盛り上げて、半日から1日乾燥させます。

2.下地の完成

乾燥した下地を、荒さを残しつつ表面を磨く様に削ります。

 


3.着色して完成

下地の上に着色し、縁に漆を塗って金箔を押し、金の部分を鈍い輝きになるように加工をしたら完成です。

4.完成品

全体に荒い表面に、縁取りの金色が生える個性的な額になりました。



オリジナル額・その3

1.木枠組み

土台となる木枠を組んで、それぞれのパーツとなる材料を取り付けます。

2.レイアウト

装飾をどこに付けるのが良いかバランスを見るため、仮にレイアウトしてみます。

3.レイアウト決定

遠くからも全体を見て、バランスよく配置されているか確認して決定します。


4.装飾の取り付け

実際に取り付けるパーツを樹脂で作製して、決定した位置に取り付けます。

5.下地塗・着色

下地塗をしてたあと、着色をして仕上げておきます。

6.内枠の作製

ガラス押さえとなる内枠を組み、漆を塗って金箔加工をしました。


7.額の完成

着色をした後に金箔加工をして額の完成です。

深いこげ茶色にゴールドのアクセントが効いたシブ派手な額になりました。

「油 彩」のページにも載せてあります。



部材との組み合わせ

当社では、モールディングに材料を組み合わせて、深さのある額も製作いたしております。

したの写真では、同じモールディングを使用し、2種類の材料でタイプの違う形状の額を作ってみました。

1.角材を組み合わせる

組み上げた額に角材を足して深さを付けました。

コーナー部分は継ぎ目を消すために隙間を埋めました

2.着色して完成

継ぎ足した材料は、モールディングと色が違うので、全体に同じ色調になるように色を塗り完成です。


1.組合せ2

上の写真とは違うタイプの材料と組み合わせました。

 

2.着色

1つの額に見えるよう、接合部分の隙間埋めをして着色。

3.完成

横から見ても継ぎ目はは見えません。



シルバー額の製作

1.漆塗り

下地を作り、漆を塗っておきます。

2.模様付け

漆垂らして模様を付けます。

3.漆の乾燥

銀箔を押すため、数日乾燥させます。


4.面先加工

額の中に入るマットの面策を製作します。

5.模様付け

額と同じように、模様を付け乾燥させます。

6.マットの

布張り

ペーパーマットに布を貼ります。


7.パーツの完成

全てのパーツが出来上がりました。

面先と額に銀箔を貼り燻し銀に仕上げます。

8.額の完成

パーツを合体させ、作品を入れたら完成です。



日本画用の額を製作

日本画様に製作した額の作業工程を数点紹介します。

1.枠組み

下地の塗られた材料を四角くに組んでおきます。

2.コーナー削り

尖っているコーナーを丸く削ります。

3.飾りつけ

額中央に型取りした飾りを付けます。


4.隙間埋め

取り付けた飾りと額の隙間を埋めて一体化させます。

5.コーナーの装飾

コーナー部分に樹脂を盛り、装飾をほどこします。

6.磨き

いったん全体をペーパーで磨いておきます。


7.下地塗り

下地の朱色を塗り、金箔を押す部分に漆を塗ります。

8.漆塗り

中央の飾りにも漆を塗り金箔を押します。

9.全体の着色

額全体を着色して、仕上げをします。


10.額の完成

作品を入れて額の完成です。額につけた中央の飾りは、作品の冠の装飾金具のデザインに合わせてオリジナルで作製したものです。



1.木枠組

ベースとなる木枠を組みます。

2.装飾の取り付け

装飾となる細い木材をつりつけて、目止めをします。

3.下地塗り

下地の朱色を塗り、金箔を押す部分に漆を塗ります。


4.着色と金箔押し

着色をして金箔を押して仕上げをします。

5.額の完成

能の作品とよくマッチした雅な額になりました。



1.木枠組

ベースとなる木枠を組みます。

ここまでは上の額と同じ作りです。

2.コーナーの装飾

コーナー部分を

一段高くした装飾にします。

3.中央部分の装飾

額の中央部分も、コーナーと同じように一段高くします。


4.下地塗り

下地のを塗り、箔を押す部分に漆を塗ります。

5.漆塗り

中央部分にも漆を塗ります。

6.着色・箔押し

額に着色をして、コーナーとエッジには金箔を押します


7.箔押し・仕上げ

中央部分には銀箔を押します。

全体に仕上げをして完成です。

8.額の完成

ベースの形は上の額と同じですが、作品に合わせ男性的な額に仕上げたかったので、装飾のデザインと着色を変えて変化を付けてみました。